クラウドエンジニアのロードマップ|作りながら学ぶ6ステップ

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クラウドエンジニアを目指す未経験の方に向けて、何をどの順番で学べばいいかをまとめます。結論は、資格より先に手を動かし、同じ環境を段階的に育てながら学ぶことです。私自身もだいたいこの順番で学んできたので、そのときの経験も交えて書きます。

STEP1:Linuxとネットワークの基礎

まずは、自分のPCにLinuxの環境を作って触ってみるのがおすすめです。WindowsならWSL2、MacならUTMやVirtualBoxを使うと、手元でLinuxを動かせます。

最初は、ファイル操作や権限の設定、パッケージの導入、サービスの起動、ログの確認といった基本のコマンドを打ってみるところから始めます。私もローカルに環境を立ち上げて、コマンドを打ちながら勉強しました。

ネットワークは、HTTP/HTTPSやDNSを扱うアプリケーション層(第7層)と、TCP/UDPやポート番号を扱うトランスポート層(第4層)の基礎を勉強しておきます。クラウドでは、通信を許可するセキュリティグループや、アクセスを振り分けるロードバランサーの設定で、この知識を直接使うからです。

私も当時は、ネットワークの勉強を飛ばして苦労しました。ロードバランサーのHTTPS設定やRoute 53のDNSレコード、セキュリティグループのポートなど、設定の意味が分からなかったのです。そこで本で勉強し直し、出始めたばかりのAIに聞きつつ、ネットでひたすら調べました。その結果、設定を自信を持ってできるようになり、障害対応でもログを見て意味が分かるようになりました。

ネットワークの入門書なら、『ネットワークはなぜつながるのか』や『マスタリングTCP/IP 入門編』が定番です。手元のLinuxでも、HTTPの中身を見たり、名前解決の結果を確かめたりして練習できます。

一方で、IPアドレスの経路などを扱う第3層以下は、クラウドではあまり意識しません。AWS上に自分専用のネットワーク(VPC)を作るときの、IPアドレスの範囲とサブネットの分け方だけは必要ですが、STEP3で覚えれば十分です。

STEP2:EC2でWordPressを動かす

次は、クラウドを触ってみます。クラウドの中でもAWSはシェアが大きいので、AWSがおすすめです。調査会社のSynergy Research Groupの推計では、2026年1〜3月のクラウドインフラ市場で、AWSが28%で1位でした(Microsoftが21%、Googleが14%)。

最初は、AWSの仮想サーバーであるEC2を1台立てて、WordPressを動かしてみます。流れは、EC2を立てる、Webサーバー・PHP・データベースを入れる、WordPressを置いてブラウザで開く、の順です。AWS公式にも、同じ流れのチュートリアルがあります。

ブラウザで表示されないときは、サーバーが動いているかと、セキュリティグループで通信を許可しているかを確認します。また、固定のIPアドレス(Elastic IP)を付けておかないと、再起動でアドレスが変わって表示できなくなります。

費用は、新しいAWSアカウントなら、無料プランの範囲で試せます。使い終わったら削除しておきましょう。

STEP3:一段レベルアップした構成を作る

EC2でWordPressが動いたら、次の3つで構成をレベルアップさせます。

まず、AWSのデータベースサービスであるRDSを別で用意し、EC2から接続します。データベースをRDSに分けて、EC2からだけ接続できるようにします。

次に、EC2のAuto Scaling構成を作ります。ロードバランサーの後ろで、サーバーの台数を自動で増やしたり減らしたりする仕組みです。異常なサーバーは、自動で入れ替わります。

最後に、AWSのDNSサービスであるRoute 53とDNSを勉強して、ちゃんと設定します。独自ドメインをロードバランサーに向け、HTTPSにするなら証明書も設定します。

STEP4:ハンズオンと並行してSAAを取り、資格は順番に

資格は、AWSのサービスを組み合わせて構成を設計する力を問うSAA(AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト)がおすすめです。ただし、SAAは環境を触りながら勉強します。SAAだけを勉強しても、実体験が伴わないので身になりにくいからです。

資格の順番は、SAA、LinuC・LPIC、基本情報の順です。

SAAを最初にするのは、クラウドエンジニアが触るのはAWSの環境だからです。次に、Linuxの知識と操作を証明する資格であるLinuC・LPICに進みます。ITの基礎知識を幅広く問う国家試験の基本情報技術者試験は、知っておいたほうがいいものの、全体像を理解するためのものなので、優先度は低めです。

シスコが認定するネットワークの資格であるCCNAは、クラウドエンジニアには不要です。クラウドでは、ルーターやスイッチを直接設定しないからです。また、クラウドプラクティショナー(CLF)は取ってもいいですが、飛ばしてSAAからでも構いません。

STEP5:作った環境をTerraformで作り直す

ここまで手で作った環境を、インフラをコードで管理するTerraformで作り直します。一度手で作っているので、コードの意味が分かります。

進め方は、小さく1台から始めて、STEP3の構成を順に足していきます。最後に全部消して、もう一度同じ環境を作れるか確かめます。使わないときは消して、必要なときに作り直せるのも利点です。

また、既存の環境をTerraformの管理に取り込む(import)勉強方法もおすすめです。

STEP6:アプリをコンテナで動かす

最後に、STEP2〜5で作ったWordPressを、アプリを動かす環境ごとまとめて動かすコンテナの技術であるDockerで動かし、AWSでコンテナを動かすサービスのECSに載せ替えます。

進め方は、手元でDockerを動かす、自分のイメージを作る、ECSで動かす、の順です。EC2との違いは、サーバーに入って直すのではなく、イメージを作り直して入れ替えることです。使い終わったら削除しておきます。

順番を飛ばすとどうなるか

順番を飛ばすと、よくある失敗が3つあります。

失敗1:話題の技術から入る
話題の技術から入ると、基礎ができていないので行き詰まります。話題の技術は、基礎が前提になっていることが多いからです。たとえば、コンテナが動かない原因の多くは、Linuxやネットワークの基礎にあります。基礎からやるほうが、遠回りなようで近道です。

失敗2:資格だけを勉強する
資格だけを勉強すると、知識はつきますが、実体験が伴わないので、試験が終わると忘れてしまうことが結構あります。ハンズオンと合わせて勉強したほうが、スキルとして身につきます。

失敗3:読むだけで終わる
読むだけで、実際に手を動かしてエラーを解決した経験がないと、現場でエラーが起きたときに手が止まります。

まとめ

結論としては、資格より先に手を動かし、同じ環境を段階的に育てながら学ぶのがおすすめです。まずはSTEP1の、手元のPCでLinuxを触るところから始めてみてください。

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