インフラエンジニアの夜勤について経験談から解説

インフラエンジニアの夜勤|実態と抜け出す条件 のアイキャッチ画像 転職・キャリア

「インフラエンジニアって、やっぱり夜勤があるんですよね?」

この職種を検討している人から、かなりの確率で出てくる質問です。生活リズムが崩れるのは誰でも避けたいですし、体力に自信がなければなおさら気になるところだと思います。

答えを先に書くと、夜勤があるかどうかは「インフラエンジニアかどうか」では決まりません。担当する工程で決まります。同じ会社の同じ部署でも、監視を担当している人には夜勤があり、構築を担当している人には基本的にありません。

この記事を見ている方は夜勤をやりたくないという人が多いと思います。夜勤が嫌なら、設計・構築に進むのがおすすめです。工程を変えることだけが、夜勤から確実に離れる方法です。この記事では、その進み方を具体的に書きます。

この記事でわかること:工程別に見た夜勤の有無 / 設計・構築に進むための具体的な手順 / 交代制シフトの実際の形 / 法律で決まっていること(割増賃金・健康診断) / 夜勤手当が年収を見えにくくする仕組み / 面接で確認すべきこと

夜勤があるかどうかは、工程で決まる

まず、どこに夜勤があるのかを整理します。

担当工程夜勤の有無理由
監視・オペレーションほぼ確実にあるシステムは24時間動いている。人を置き続ける必要がある
運用・保守ある場合が多い障害対応の待機当番、深夜のメンテナンス作業
構築・設計基本的にない設計や検証は日中の作業。ただしリリース時は深夜作業がある
社内SE(事業会社)ほぼない自社システムが対象で、運用は外部に出していることが多い

ポイントは、未経験歓迎の求人が集中しているのが一番上の行だということです。監視・オペレーションは人手が必要で、手順が整備されていて教えやすい。だから未経験を採れます。そして24時間365日の体制なので、夜勤がセットになります。

「インフラエンジニアは夜勤がある」というイメージが強いのは、多くの人が最初に入るのがこのポジションだからです。職種全体の性質というより、入口の性質だと考えたほうが正確です。

なお、構築側が完全に夜勤ゼロかというと、そうでもありません。システムのリリースや切り替え作業は、利用者が少ない深夜帯に実施することが多いためです。ただしこれは「毎週決まって夜勤がある」のとは性質が違い、案件の節目に発生する一時的なものです。

夜勤が嫌なら、設計・構築に進む

ここがこの記事で一番伝えたいところです。

夜勤そのものは、必ずしも悪いことではありません。手当が付くので同年代より収入が高くなることもありますし、平日の昼間が空くので役所や病院に行きやすいという声もあります。夜勤明けの解放感が好きだという人も実際にいます。若いうちは体力で乗り切れる面もあります。

「会社を変える」では解決しない理由

先ほどの表のとおり、夜勤は工程に紐づいています。ということは、会社を変えても、移った先で同じ工程を担当するなら夜勤はついてきます。「夜勤がつらいから転職する」という動機だけで動くと、これに引っかかります。

転職活動で監視の経験だけを持って行くと、企業側も監視のポジションで採ろうとします。経験と職種が一致しているので、そのほうが通りやすいからです。つらいから逃げる、という動機だけの転職が同じ場所に着地しやすいのは、このためだと思います。

だから、進む先を先に決めます。設計・構築です。ここに移れば夜勤は基本的になくなり、しかも求人賃金も上がります。夜勤の悩みは、突き詰めると「工程を移れるか」というキャリアの問題と同じものです。

監視・運用にいるうちに作る「材料」

設計・構築に移るには、面接でも社内の異動希望でも「なぜこの人に構築を任せられるか」の材料が要ります。監視の経験年数は、その材料になりません。年数ではなく、構築に近いことを実際にやった証拠が要ります。

今の職場にいながら作れるものは、だいたい次の3つです。

材料具体的に何をするか難易度
資格クラウドならAWS認定(まずはSAA)、Linuxなら LinuC / LPIC、ネットワークならCCNA独学で完結する。一番始めやすい
今の業務での改善手順書どおりの作業をシェルスクリプトにする。監視設定の見直しを提案する職場の許可が要るが、実績として一番強い
個人の検証環境自分のAWSアカウントで、実際にサーバーとネットワークを構築してみる費用は月数百円〜。手を動かした話ができる

この中で優先度が高いのは、2つ目の「今の業務での改善」です。資格は同じものを持っている人が大勢いますが、「監視の現場で、繰り返していた作業を自動化した」という話は、その現場にいた人にしかできません。面接でも具体的に話せます。

そして、これは夜勤中の時間を使いやすい作業でもあります。夜間は件数が少なく、手が空く時間が生まれることがあります。その時間で自分の担当作業を見直しておくことが必要です。

社内で移るか、転職で移るか

材料ができたら、次はどう動くかです。道は2つあります。

向いている状況注意点
社内で異動する同じ会社に構築の部隊がある。上司に異動希望を伝えられる関係がある監視の人員が埋まらないと動かしてもらえないことがある。希望を出し続ける必要がある
転職する社内に構築の仕事がない。希望を出しても年単位で動きがない「構築をやりたい」だけでは通らない。材料とセットで話す必要がある

先に試すべきなのは社内異動です。同じ会社なら、これまでの働きぶりを知ってもらえている分だけ有利ですし、環境を変えるコストもかかりません。

ただし、希望を出しても動かない期間が続くなら、転職を考えたほうがいいと思います。会社の中に構築の仕事そのものが無い場合、待っていても順番は回ってきません。特に、監視の運用だけを請け負っている会社では構造的に難しくなります。この見極めはインフラエンジニアのキャリアパスの記事で整理した「最初の分岐点」の話と重なります。

動くタイミングは早いほうがいい

タイミングについて、私の見立てを書いておきます。

監視・運用の経験は、1年でひととおり回せるようになり、そこから先は同じことの繰り返しになりやすいと感じています。3年やっても5年やっても、身につくものの差はそれほど大きくありません。一方で年数が増えるほど「監視の人」として見られやすくなります。

ですから、動くなら早いほうがいいです。ただし1年未満だと経験として説明しづらいので、1〜2年目のうちに材料を作り始め、2〜3年目で動くのが現実的だと思います。「もう少し経験を積んでから」と考えているうちに時間が経ってしまうのが、一番避けたい形です。

交代制シフトは実際どういう形か

「夜勤」と一口に言っても、形はいくつかあります。代表的なのは次の2つです。

方式1回の勤務特徴
二交代制おおむね12時間前後1回が長い代わりに、明け+休みでまとまった休息が取りやすい
三交代制おおむね8時間1回は短いが、勤務時間帯が頻繁に変わり体内時計が乱れやすい

意外に思われるかもしれませんが、夜勤がある職場のほうが月の労働時間は短いことがあります。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で見ると、月間労働時間は次のようになっています。

職業(job tagの区分)月間労働時間求人賃金(月額)
運用・管理(IT)160時間31.2万円
システムエンジニア(基盤システム)173時間34.4万円

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)運用・管理(IT) / システムエンジニア(基盤システム)(労働時間は令和7年賃金構造基本統計調査、求人賃金は令和6年度ハローワーク求人統計データ)

シフト制は勤務時間がきっちり管理されるため、残業が積み上がりにくい傾向があります。月13時間の差は、この違いによるものと考えられます。

つまり、夜勤のきつさは「働く時間が長いこと」ではありません。「働く時間帯が動くこと」です。労働時間は短いのに疲れが抜けない、という感覚になるのはそのためです。時間の総量で比較しても、この負担は見えてきません。

法律で決まっていること

夜勤には法律上のルールがあります。会社が説明してくれるとは限らないので、知っておいて損はありません。

1. 深夜割増賃金は25%以上(労働基準法37条)

深夜業とは午後10時から翌日午前5時までの労働を指し、この時間帯には2割5分以上の割増賃金を支払う義務があります。

注意したいのは、これが時間外労働の割増とは別枠だという点です。深夜かつ時間外なら両方が加算されます。さらに1か月60時間を超える時間外労働を深夜帯に行った場合は、時間外50%+深夜25%で75%増になります。

参考:厚生労働省|法定労働時間と割増賃金について

私が夜勤をやってみて感じたこと

ここからは私自身の話を書きます。

前職は3交代制で、夜勤は週5日ほどでした

私が夜勤を経験したのは前職(1社目)です。3交代制で、夜勤は週5日ほどでした。小さな会社で客先常駐ではなく、自社の中で回していた形です。

ここはあくまで私が在籍していた職場の例です。同じ3交代制でも、夜勤が何回になるかはシフトを回す人数で変わります。「3交代なら夜勤は3回に1回」と決まっているわけではないので、応募先の回数は個別に確認してください。

夜勤中に何をしていたかというと、メールで届くアラートへの対応と、問い合わせ対応が中心でした。ここは日勤と大きく変わりません。ただ、夜間は忙しくなることがあまりなく、時間に追われる感覚はありませんでした。単純に件数が少ないからです。

ではきつかったのは何かというと、眠いことです。眠くて頭が回らない。これに尽きます。作業量が多くてきついのではなく、判断力が落ちた状態で座り続けることがきつい。忙しくないのにしんどいという、日勤とは種類の違う疲れ方でした。

ここは求人票からは読み取れない部分だと思います。面接で「夜間は落ち着いています」と説明されることがありますが、それは事実であっても、楽ではないかもしれません。忙しさと、体への負担は別々に考えたほうがいいです。

夜勤明けの過ごし方には、2つのやり方があった

夜勤明けの日は休みでした。私は昼まで寝て、そのあとは夜に眠れるよう調整するという過ごし方をしていました。生活リズムを日勤側に戻すことを優先した形です。

ただ、これは人によります。同じ職場に「昼は頑張って寝ない」という人もいました。明けの日に寝てしまうと夜に眠れなくなるので、あえて起きておいて夜まで我慢する、という考え方です。

どちらが正解ということはないと思います。大事なのは、自分がどちらのやり方で戻せるタイプかを早めに掴んでおくことです。入ってから何となく過ごしていると、明けの日をずっと持て余すことになります。

なお、現職に夜勤はありません。ただし、自社開発企業に移ってからはオンコールがあり、休みの日の当番も回ってきます。夜勤が無くなれば夜の心配が消えるかというと、そう単純でもありませんでした。夜勤は明ければ終わりですが、オンコールは鳴らない日でも気が抜けません。

これから入る人が、最初から夜勤を避けるには

ここまでは「すでに夜勤をしている人」向けの話でした。これから入る人が最初から夜勤を避けたい場合、取れる道は限られますが、無くはありません。

  • 日勤のみの運用ポジションを探す:業務系システムなど、稼働時間が日中に限られる案件では夜勤が発生しないことがあります。ただし求人数は多くありません
  • ヘルプデスク・社内IT支援から入る:営業時間内の対応が中心なので夜勤はほぼありません。ただし求人賃金は28.3万円と、監視・運用(31.2万円)より低く出ています
  • 最初から構築側を狙う:未経験には狭い道ですが、資格や検証環境で材料を作れば可能性はあります
  • 期間を区切って夜勤を受け入れる:「1年で構築に移る」と決めて入る。現実的にはこれが一番多いパターンだと思います

正直に書くと、夜勤を完全に避けると未経験の入口はかなり狭くなります。ヘルプデスクは夜勤がない代わりに、そこからインフラの構築に進む道が遠回りになりがちです。何を優先するかの判断になります。

未経験からの入り方全体はインフラエンジニアに未経験から転職する手順とロードマップにまとめています。

面接で確認しておくべきこと

入ってから「聞いていた話と違う」となりやすい部分なので、面接で聞いておくべき項目を挙げておきます。遠慮する必要はありません。労働条件の確認は当然のことです。

  • 「夜勤は月に何回程度でしょうか」(回数が答えられない会社は要注意)
  • 「二交代制と三交代制のどちらでしょうか」
  • 「提示いただいた年収に、夜勤手当は含まれていますか」
  • 「夜勤明けの翌日は休みになりますか」
  • 「監視から構築へ移った方は、実際にいらっしゃいますか。何年目くらいでしたか」

最後の質問が一番重要です。これに具体的な事例で答えられる会社なら、工程を移る道が実際にあるということです。言葉を濁されたり「本人次第です」で終わったりする場合は、その道が用意されていない可能性があります。

常駐型の働き方では、配属先によって条件が変わることもあります。その構造についてはSESはやめとけと言われる理由をまとめた記事で書きました。

まとめ:夜勤が嫌なら、設計・構築に進む

インフラエンジニアの夜勤は、職種そのものに付いているものではなく、監視・運用という工程に付いているものです。だから、夜勤から確実に離れる方法は設計・構築に進むこと、これ一つです。会社を変えるだけでは、同じ工程でまた夜勤が付いてきます。

進み方は、この順番です。

  1. 今の職場で材料を作る(業務の中の改善が一番強い。資格と個人の検証環境がそれを補う)
  2. まず社内異動を狙う。希望を出しても年単位で動かないなら転職に切り替える
  3. 動くのは1〜2年目から準備して2〜3年目。「もう少し経験を積んでから」で止まらない

今まさに夜勤をしている人は、まず材料を1つ作るところからで十分です。夜勤明けの時間を全部使う必要はありません。工程が変われば、生活のリズムもあとからついてきます。

※本記事の統計データは執筆時点(2026年8月)に確認したものです。法令の内容も改正される可能性があるため、最新の情報は厚生労働省のサイトでご確認ください。労働条件について具体的な相談が必要な場合は、各都道府県の労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーが利用できます。

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